視覚に障害ある人とは

先天的に視覚に障害をもっている人や病気やケガで後天的に視覚に障害を負うことによって、視機能の低下を来し、日常生活、経済生活、社会生活等に何らかの不自由を生じてきます。これを視覚障害と言います。人は外界の情報の80%以上を、眼から取得していると言われています。視覚を失うということは、日常生活に支障をきたすばかりではなく、生きる希望さえ失われていきます。
特に、情報収集が困難になることは大きな問題です。例えば、何か文章を読もうとすると、文字がぼけてしまったり、文字が二重に見えてしまう。歩いているとちょっとした段差でもつまずいてしまう。景色が歪んでみえる。夜など暗いところでは周りを見ることができなくなる。明るい窓側に座っているとまぶしくてしかたがない。等々、様々な不自由があります。
このようなことから視覚障害者は情報障害であり、移動障害といえます。
これらにより、子供では教科書や黒板の文字が見えず勉強についていけなかったり、体育の授業は全く参加できないという制限が出現します。
成人では、自由な職業選択や、結婚・出産・育児・家事労働等に制限を受けることになります。
老人では、単独での生活が困難となり、即老人介護の問題に直面させられます。
一般に眼科医で治る見込みがないということになると、福祉事務所に申請をすることで、身体障害者手帳が交付されます。なお、身体障害者手帳には、障害の程度に応じて1〜6級まであります。




◆中途視覚障害者とは

ある時期まで正常な視覚による生活をしていた人が、病気やケガが原因で発生した後天的な視覚障害者を中途視覚障害者といいます。
全く見えない人ばかりと言うわけではなく、むしろある程度見えるが、日常生活に支障をきたしている人の方がはるかに多くみられます。
そのうえ今まで視覚に頼る生活が大きかったため歩行訓練や点字学習の効率が悪く社会生活を送るうえで危険や不自由が多くなります。また、かって見えていただけに、見えなくなったという精神的なショックは大きくなり、ますます家に閉じこもってしまう傾向にあります。視覚を失うことは最大の苦痛だという人もいるようです。






◆生活の質(Quality of Life)の向上


医学の進歩はめざましいものがあり、絶え間ない努力により、眼科領域でも近い将来、人工網膜や網膜移植などが実用化されると期待していますが、現時点ではなかなか不可能のようです。そのため、保有視覚を最大限に活用して、生活の質の向上を目指す必要があります。








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